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フィリピン人介護士に関するFTA課題について
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●FTA課題について

1)FTA(看護師・介護福祉士の受け入れ)としての課題
・介護職をなぜ自国で補えないのかを検証せずに、安易に外国人介護職の輸入に頼ることは、リスクも大きく抜本的な解決策ではない。
・介護福祉士資格取得者の約4割が就労していないという現実を直視すべきである。これでは資格として存在する意味がない。
・最大の問題は、介護業務に対する国・社会の評価があまりにも低いことである。年々スキルアップを要求され、責任は重くなるにもかかわらず、しれに見合う対価は全く考慮されていない。⇒いい加減に介護職の真心や経営努力に甘えるのはやめていただきたい。
・労働人口が減少する中で、生命・日常生活維持に直結する職種に対しては、最優先して対策が講じられなければならない。
・介護職輸入などといった付け刃的手法ではなく、本問題に対する抜本的対策を早急に講じていただきたい。
<資料>平川博之(社団法人全国老人保健施設協会常務理事), :介護人材不足と外国人介護職導入 -担い手不足を外国人介護職に頼って良いのか-,2007,10,12第18回全老健大会(愛知)

・上記の意見に対して、弊社としては、FTAと離して考えるべきであると考えております。もちろん日本人の雇用条件など環境を整備していただきたいという思いはございます。しかし、外国人の受け入れには時間を要します。ですから、諸外国が積極的に外国人雇用について活動を進めている現状をふまえ、早急に対応していく必要があります。日本国は、現時点での少子高齢化の影響を遥かに越える影響を受けることが目の前にきていると感じます。現時点でも、もう遅いかもしれません。諸外国と外国人雇用について、対等な位置におけるかどうか?今、真剣に考えるときです。

2) FTA(看護師・介護福祉士の受け入れ)としての課題
日本語の理解は経験的なものとし、ライセンス取得は英語にする。
日本は、今の受け入れ基準では、日本語で業務に係ることをベースにこのスキームを進めているが、今はいいかもしれないが、今後はどうか?諸外国のベースをもう少し参考にすべきである。これは、国と国との問題です。しかし、このままでは平行線が続きます。いざ人材確保に力を入れようと、現在の受け入れ基準のハードルを低く修正したとしても、そのときは、人材が諸外国へ流れ、病院及び施設などは、閉鎖するしかない自体も考えられる。

3) 課題(記録について)
今後、カルテは、英語を日本語にし、日本人スタッフが確認し、紙媒体へ記入。排泄、食事、フローシートなどについてはチェック式なので、利用者へ理解とチェック説明を受けていただければ、チェック可能。ケアプランについては、システムの中で、フローチャート式に課題を抽出可能。利用者の主訴をどう繁栄させるか。やはり、ここは、日本語の理解と経験が必要。

4) 課題(現場での細かな説明について)
彼女たちの土台は、看護師であるため、日本の業務については、フィリピンとも近い業務内容もあり、スムーズに受け入れることができた。特に感染に関するレベル高く、さすが看護師だと実感しました。しかし、利用者の独特な日本語や行動、文化および習慣により、業務における細かさ(利用者の性格などの把握)、緊急時の対応(設備の問題)については、彼女たちも難しさを感じており、この部分をいかに理解してもらうか。しかし、ある程度の経験は必要となることも理解しております。 現在(2007年9月※受け入れ1年2ヵ月)は、各利用者の特徴を把握し業務に活かしておられます。特養、老健(認知症専門棟などの長期的受け入れの可能性?)、有料老人ホームなどの長期的事業所が受け入れるには合っているかもしれない。 短い期間で利用者が入れ替わりする病院や施設などの受け入れには、充分なサポート体制が必要であると考えております。私どもとしても、今回の受け入れは、長期的対応事業所であるため、今後、短い期間を対応する事業所へのローテーションを検討していきたいと考えております。

5) 課題(外国人のレベルについて)
今回は、受け入れた外国人は、4年生大学を卒業し、日本語の勉強も現地で4週間実施(日本語専任講師)し、外国(フィリピン、サウジアラビア)での臨床経験がある6人であります。そして、日本では、日本語学校へ通っておられます。このレベルの方は、総合的に非常にレベルが高い。しかし、記録や細かな業務については、まだ充分とは言えない状況である。今後、始まろうとする日比経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士の受入の中で、どこまでのレベルを外国人の方に求めるかによるが、外国人の日本語教育は重要なポイントとなると考えております。また、昨今の報道でもありましたが、フィリピンの学生の間では、「アメリカ」「カナダ」への希望者が多いということです。私どもで受け入れている方にも聞きましたが、やはり同意見でした。これは、出稼ぎ国とされる国柄の問題と日本での日比経済連携協定(EPA)が、まだ予測がつかないことが理由と考えております。個人的には、受け入れ条件を緩和させ、入国後の教育をふくめたサポート体制の充実を希望します。彼女たちを受け入れて、感じることは、「専門性の必要性(介護士のレベルは気になりますが)」「英語圏の彼女たちが日本語を理解する難しさ」です。最後に、安い賃金で雇うという認識で人員を間に合わせるためだけに外国人の受け入れはしてはならない。外国人の方が、今まで培ってこられた専門性を充分引き出せるような環境が日比経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士の受入の前提になければなら ないと考えております。
★皆様のご意見お待ちしております。

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